先輩からの激励
寄稿 蔵工に学んだ我が人生哲学
昭和36年建築科卒 伊庭 孝氏
私が蔵工に学んだ時期は公立高校全盛時代で、工業高校では「東の蔵前・西の都島(大阪)」と呼ばれる程のレベルでした。
蔵工卒業後(株)大林組に入社、配属先は名古屋支店設計部でした。(60歳定年退職するまで設計部門に在籍)。3年勤務後に会社の了解を得て。工学院大学(2部)工学部建築学科に入学。
卒業式(1部、2部合同)では総代として答辞を述べました。
在職時代の前半20年間は、国内(北海道から沖縄まで)の設計に従事。後半20年間は国内、海外(米国、タイ、インドネシア、中国、フイリッピン、ベトナム)の設計に従事し数多くの建物の設計に従事しました。
大林組在職中の私の代表作品の一つが「米国トヨタケンタッキー工場新設プロジェクト」です。
文字通りの突貫工事で、建屋の規模(敷地面積523万m2、延面37万m2、工事費620
億円)からして、建設工期(設計から建物竣工まで)5年程かかるの2年半で完成させました。
このプロジェクトで、設計チームのマネージャーとして2年間米国駐在を初めて経験し優良設計として社長賞を受賞しました。
トヨタは米国工場の完成で日本のトヨタから世界のトヨタとして飛躍し現在に至っています。
私は現在、今迄の経験を活かして“設計コンサル崑玉堂”を自営し、もの作りの大切さを実践しています。“同窓会だより”を通して建設関連業界で活躍している先輩・同輩・後輩の方々が、もの作りの大切さ(技術の伝承)を再認識して頂けたら幸いです。